旅の生活「猪苗代」
ラーメンか、カツ丼か。
旅が暮らしで 暮らしが旅 これは 誰のためでもない 自分のための生活の記録である
2019年5月31日
福島県の猪苗代湖に来ている。
フェスのDJのため、毎年訪れて今年で7年目になる。
初めて猪苗代湖に来たのは、小学3年生の時だった。
幼なじみである親友のお父さんの実家が福島で、
夏休みにその親友と一緒に連れてきてもらった。
日本で第4位の面積を誇る猪苗代湖は、
海無し県の埼玉で育った僕たちにとっては、
海だった。
ここに来るたび、
あいつと一緒にこの海で泳いだ記憶が蘇る。
仕事前の腹ごしらえに、
近くにある、昔ながらの食堂にひとりで立ち寄った。
福島グルメの筆頭であるラーメンかカツ丼、
どちらにするか決めかねていた。
この食堂にはハーフサイズやセットのような、
軟弱なお品書きは無い。
数年前に天国に行ってしまった、
あいつの分も食べといてやらないとな。
悪さばかりしてガキ大将だったあいつは、
きっと閻魔様をまるめこんで、
先に天国で待っているに違いない。
二人前をたいらげ店をでると、
やさしい雨が降っていた。