珈琲をもう一杯 / 第四十九話「男爵とホラッキー」
堀田男爵、クラプトンの愛機ブラッキーよろしく ストラトをアコースティックに改造し…
キング アーサーのここだけの話
スピードボートに乗らなきゃひと気がなくなってからゆっくりと列車を降りた。 ハーフドーム型のフアランポーン駅…
キング アーサーのここだけの話
穏やかな時間乗客が一斉に集まったため、乗降口は完全に詰まった状態。 降車に通常の倍の時間はか…
キング アーサーのここだけの話
俺がいないあいだの密約ルールを少し把握した俺は、人をかき分けながら、何とか自分の席に戻ってきた。 シン…
キング アーサーのここだけの話
駅到着直後の一瞬列車が完全に停車した。 停車した瞬間、左右に大きく揺れた。 さっきまで微動だにし…
キング アーサーのここだけの話
大きく揺れる客車これは日本人特有のクセなのだろうか。 それとも俺だけか。 景色が間もなく終着駅と…
キング アーサーのここだけの話
早く着くことに意味はない拗ねているだけかもしれないけど、それでも自立しているナタリーの方がずっとマシだ。…
キング アーサーのここだけの話
まったく頼りない俺ってでも実際は気を使ったんじゃない。 俺一人では勇気が足りないだけだ。 …
キング アーサーのここだけの話
どこまでも気を使う俺重い空を見つめながら、ナタリーはついに重い口を開いた。 「大事なことは、自分の言…
キング アーサーのここだけの話
天気の話をする日本人そんな話をしてる場合かよ。 これって心通じてない人と会話がないときに切り出す奥の…
キング アーサーのここだけの話
洗濯物の乾きがよさそうだよね東京の下町に張り巡らされた都電でもこんなところは通らない。 バンコクへ近づくと、…
キング アーサーのここだけの話
気まずい雰囲気での解散窓の外が殺風景になりだした。 もうすぐ大都市に着く。 といってもこ…
キング アーサーのここだけの話
変わらぬ景色が続く怠惰な世界列車というのは不思議な空間だ。 客車にいれば、部屋にいるのと変わらず風景は変わら…
珈琲をもう一杯 / 第四十八話「Blue”n”Boogieなモカ・ハラー」
また、緊急事態宣言が出されましたね。 お店をやっている身としては人出が抑えられる…
キング アーサーのここだけの話
ひとりぼっちのナタリーこの国に列車の運行スケジュールなんてものが本当に存在するのかわからない。 遅れて…
キング アーサーのここだけの話
これじゃ、釈迦に説法だ俺の人生を左右することだ。 本来は、俺がきちんと話すべきだろう。 だが、俺にはそ…
キング アーサーのここだけの話
俺を好いてくれる可能性だから彼女に会って直接聞かねば、というのが俺の今すべきこと。 バンコクのあのゲス…
キング アーサーのここだけの話
彼女はきっと男として生まれた人は多様性があり、たぶん男とか女とかの2つだけの性では分けられない。 いまだから…
キング アーサーのここだけの話
彼女は、彼女とちゃうでシンさんが躊躇しているので、俺から言うことにした。 「あのアンジェリーナ・ジョリ…
キング アーサーのここだけの話
俺はナイーブな日本人シンさん、また誕生日がきたね。 今年はいままでになく、最悪の1年だったね。 それ…
キング アーサーのここだけの話
ああいうんが、本当の好みか?シンさんからは、俺が思っていたとおりの言葉が返ってきた。 「アンジェリーナ・ジョ…
キング アーサーのここだけの話
レセプションにいた女の子シンさんは彼女の存在を知っているのだろうか。 「誰だとしても、通訳を通訳をお願い…
キング アーサーのここだけの話
雑多な景色の中での決意俺はいうべきか、ためらっていた。 あたりには日本語を理解する人なんて誰もいない。…
キング アーサーのここだけの話
人で混み合ったホーム電話を終えたナタリーが、列車へと戻ってきているのが横目に見えていた。 俺がしたい…
キング アーサーのここだけの話
たったそれだけのことで携帯電話のない時代。 電話をかけても、相手は家にいない可能性もある。 連絡を取る…
キング アーサーのここだけの話
公衆電話にいるナタリーもうバンコクに到着してもいい時間だというのに、列車は途中の駅で止まっている。 駅…
キング アーサーのここだけの話
ここが岐路でいまが決断のときタイから陸路で韓国まで行く。 そもそもシンガポールからインドネシアを経由してマレ…
キング アーサーのここだけの話
すべての道はローマに続いてるシンさんは日本へ帰るつもりなんだ。 それを早くナタリーに伝えてあげなければ。 と…
キング アーサーのここだけの話
避けては通れないカンボジアって、安全なのか? そもそもカンボジアへ、入国できるのか? 国際連合の…
珈琲をもう一杯 / 第四十七話「ドリップパック」
珈琲は淹れる工程も愉しみの一つ、 なんて皆さんに言っておきながら 密かにドリップ…
キング アーサーのここだけの話
余計なことを聞いた俺流れる景色。 1秒ごとにバンコクは近づいている。 1秒ごとに別れのときも近づいて…
キング アーサーのここだけの話
お金のある、なしじゃない2等席には紳士、淑女が集まっている。 シンさんはそう理解していた。 …
キング アーサーのここだけの話
天然のシャワー貧困層が2等席を利用しているといっても過言ではないように思えた。 それほど着衣に…
キング アーサーのここだけの話
空きのある1等席俺はシンさんと向かい合ったシートにやっと腰を下ろした。 ナタリーの言う通り、この…
キング アーサーのここだけの話
来る者は拒まず去る者を追わず1等と2等の違いを俺は見つけた。 シートにクッションがあるか、板張りかの差だ。 …
キング アーサーのここだけの話
約束をすべきでないここが俺の居場所だ。 心地いい居場所なのだ。 シンさんとナタリーのところにいると…
キング アーサーのここだけの話
シンさんとナタリーの元へ列車の通路を1等から2等へと向かう。 1等車両と2等でどれほど違うのか、興味津々…
珈琲をもう一杯 / 第四十六話「イ~ネッ!」
昔のブルースを聴きながら この曲は浅煎り これは深煎りなどと 曲に合わせた珈琲を…
キング アーサーのここだけの話
慈悲の心なのだろうかタイの線路もゴミだらけになっている。 ヴィンセントからすれば、ゴミが出たら線路に…
キング アーサーのここだけの話
パリへ行ったことがあるか?ゴミを集めるのを仕事にしている人の仕事を奪うことになるからゴミを片付けない。 そ…