COOK,  LIFE

珈琲をもう一杯/第七話「道具の話、ポット編」

トンテンカン、ガンガン、ガシ、ガシ、シャツ、シャツ、何の音ですって?。
ポットの口を加工している音なんです。

コーヒーにハマリだすと、色々な器具を揃え始めると思います、
そうミルやドリッパー等ですね。
今回はその中でも初めの頃に揃えるであろうポットのお話し。

コーヒーブームのいま、様々なメーカーから色々な容量や注ぎ口の形状の異なるものが販売されています。

選び方のポイントは、自分の淹れ方に対応出来るものを選ぶこと。
ドバ〜ッと一気に淹れる方はあまり注ぎ口の形状にはこだわらくていいし、点滴、白糸落としタイプの方は、
注ぎ口の形状が命ですし。

容量は小さ過ぎず、大き過ぎすが理想ですね。
淹れ終わった時にポットにお湯が少し残る位がいいですね。
大き過ぎると重いですから。

でも、なかなか納得の行くポットに出会え無くて、多くの珈琲屋さんはポットの口をカスタマイズしてるんです。
僕の場合は、点滴、白糸落としタイプの淹れ方なので、注ぎ口の先端はペンギンの口の様に先端を尖らせてね。
容量は750cc。 やっぱり、自分のポットは自分で加工した方が使いやすいし、愛着も湧きますし。

でも、ステンレス製のポットの口ってけっこう硬く、金槌、ペンチ、ヤスリで加工するのもかなりな力が必要なんですよ。
それで冒頭のような音をたてるのです。 作業を終えると鉄粉まみれの手は痺れてブルブルになるんだから。

そういえば何時だったか、友人が
ポットの口をペンチと金槌で加工しようとしたら割れた。と、えっ? 割れたって何?
と聞いたら、琺瑯製のポットだった。
堀田さん。 琺瑯は叩いちゃダメよ。

左「加工前」、右「加工後」

航空会社に勤めていたものの、うん十年前は「カヌーイストになるんだ!」と、チキンラーメンを食しながら川を下る。 かと思えば、「ウミンチュになるぞ!」と、沖縄の海で鯨を追いかけたりもした。 が、「ちゃんと仕事はしてるのか!」と、皆が疑問を呈しだしたので、「こりゃいかん」と退職。 まっとうな人生を送るべく、珈琲屋として再スタートを切る。 深煎り珈琲が味わえる『スリーペンギンズ』(横浜市磯子区滝頭 3-4-22)の店主に収まる。