珈琲をもう一杯/第九話「ハンドピック」
豆を焙煎するにあたり、不良豆や異物をハンドピックして取り除くんですけど、
不良豆に混ざり色々な異物が紛れ込んでたりするんです。
豆の乾燥場で紛れ込んだとおぼしき石、コンクリート片、トウモロコシ、木片、
過去には、動物の牙や、ビーズ等が出てきたことも。
ビーズなんかは豆選別をしている女性のアクセサリーだったりするのですかね。
さて、
流行りのスペシャルティと銘うつクラスの生豆はきれいで不良豆の混入率も小さいのですが、
僕が扱うのは並クラスの豆が多いのでけっこうな割合で不良豆が混ざってるんです。
(ならばスペシャルティを扱えば良いじゃん、と、言われそうですが、流行りもんには拒絶反応を起す性格ゆえ、
敢えて避けている…と、ダメですかね。)
不良豆のたった一粒位、異物一つくらいって思われるかもしれないですけど、
例えば一杯の珈琲を淹れるのに12g(80〜100粒)を使うとして、この中に変な味の豆が一つ入ってたりすると、
味全体に影響するんです。
また、異物の場合ミルを痛めたりしますしね。
僕の場合ハンドピックは生豆の時点と焙煎後の2回やってるんですけど、節穴だらけの目ですから。
どうでしょう、ちゃんと選別できてるでしょうか。
でも、手間はかかるものの自分で飲みたいと思えるレベルまでハンドピック出来るのは
うちみたいな小さな自家焙煎店の強みです。
大手さんや量販品ではこうは行かないでしょうから。
こりゃ自己満足ですかね。
はは。