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〈中華鍋の逆襲〉 炒める 其のニ

さていよいよ鍋に火を入れて炒めていくのですが、

まずは前々回、「鍋の準備」でも書きましたが、鍋は

 

「煙が軽くあがる程に温めた鍋に鍋全体に行きわたるくらいの油で調理」

 

が基本です。

 

 

 

油っこい、油臭くなってしまうのは油が冷えた状態から炒めてしまうことが原因です。

 

十分に温めた鍋に油、それからにんにく、ネギ、生姜などの香味野菜で香りをつけてから炒めれば、

油っこいというのは十分に防げます。

 

それから野菜を投入していきますが、これも火の通り難いものから順番に、いくら手早くといえども

次から次に野菜を入れていってしまっては鍋の温度が下がってしまいます。

 

「手早く」を念頭に置きながら、落ち着いて野菜を入れて炒めていきましょう。

 

 

 

鍋の炒め方の基本ですが、どうしても皆さん、

 

「中華鍋=鍋を煽って食材を上に上にブルンブルン振るもの」

 

と勘違いされてる方がとっても多いのですが、あれは鍋の温度を下げてしまう

「愚行」と言ってもいいかと思います。

中華料理店のとてつもない火力ならまだしも、ご家庭のバーナーの火では

鍋の温度がすぐさま下がってしまいます。

 

バーナーのゴトクから鍋を離さぬよう、鍋を握った手を前後に、

やや楕円を描くように動かしてみてください。

 

すると中の食材は鍋の中を「スケートショートトラックの選手」が如く、

キレイにグルグル回って行くはずです。

それで一番熱い鍋の底に留まる事なく、焦げずにムラなく炒めることができるのです。

そして反対側に握った「中華おたま」

 

中華鍋のフチに掛け、鍋と一緒に動きながら、秩序を乱す食材を監視し、

そのショートトラックの隊列に戻す、また時折食材をひっくり返しながら

全体のムラをなくしていく「看守のような」役割を担っております。

 

むやみやたらに食材を突っつきまくり、鍋をガンガン叩いて威嚇するような

「意地悪看守」の動きは厳禁です。

父親と始めた「作りたいものだけを作るワガママらーめん店」を経て、筋金入りのダンボールで梱包された荷物なみ、の「in door派」にもかかわらず、現在は何の因果か、某キャンプ場で管理人をしているという「踏みはずしっぷり」。