COOK,  LIFE

珈琲をもう一杯/第十一話「レイコーでもしばくか」

いやぁ、暑いですね~。

お店でのアイスコーヒーは水出しで作っていますが、
この水出しは深煎りの豆で作らないと美味しくないんです。
ものは試しにと、浅煎りや中煎りでも作ってみたのですが、今ひとつ味が出ないのです。
特に苦味。 なので美味しくない。
もともと浅煎りや中煎りには苦味成分が少ないからだと思います。

そういえば、先日飲んだアイスコーヒーは浅煎り珈琲を氷で冷したものでした。
洒落た感じのお店だったのですが。
いくら流行りの珈琲が浅〜中煎りだとしてもアイスコーヒーは深煎りですね。

大阪の方では、喫茶店にコーヒー等を飲みに行くことを、茶をしばきに行く。
また、アイスコーヒーのことをレイコーなんて言います。
僕も大阪に居た時に良く言いましたね。
「レイコーでもしばきに行くか。」 って。

しばくって語感とレイコーのイメージは、どう考えても、黒ぐろ、苦にがで、
けっして紅茶の様に澄んだ浅煎り珈琲ではいけないと思うのです。

レイコーをしばきに行って、出てきたものが浅煎りレイコーだったら、
心の中で別の意味のしばくをつぶやいてしまうのです。

「こんなしゃばいレイコー飲ませおって、しばいたるぞ、こらぁ!」って

ごめんなさい。

航空会社に勤めていたものの、うん十年前は「カヌーイストになるんだ!」と、チキンラーメンを食しながら川を下る。 かと思えば、「ウミンチュになるぞ!」と、沖縄の海で鯨を追いかけたりもした。 が、「ちゃんと仕事はしてるのか!」と、皆が疑問を呈しだしたので、「こりゃいかん」と退職。 まっとうな人生を送るべく、珈琲屋として再スタートを切る。 深煎り珈琲が味わえる『スリーペンギンズ』(横浜市磯子区滝頭 3-4-22)の店主に収まる。