キング アーサーのここだけの話
水平線のさらに先
今日はシンさんの誕生日だ。
出会ったころは可愛い女の子を見つけるとすぐに追っかけていく本能のままに生きる野獣だったが、あれから30年近く経ち、ようやく人らしい一面も見せるようになってきた。
But you can’t stop the change, any more than you can stop the suns from setting.
しかし、本質的には50歳を過ぎても変わらずアホウのままでもある。
Remember, the Force will be with you, always.
2つの映画の名セリフをもって伝えたい、<52歳の誕生日おめでとう>と。
遠く離れたシンさんにだけ伝わればいいので、あえて翻訳をしないし、出典映画も明かさない。
本題である「キング アーサーのここだけの話/水平線のさらに先」に戻す。
「昨日も、シャーキングで朝帰りだったことだし」
心配するナタリーに俺は、ホエールシャークに導かれ朝までスキンカヤックを漕ぎ、大海原を巡っていたロマンチックな冒険家、シンさんのことを話したつもりだった。
でもこのころのスラングで、<シャーキング>はナンパ目的で徘徊することを意味していた。
そんなスラングを知らない俺は、ナタリーがますます重い空気に包まれていく起因が俺の言葉にあったことを、まったく理解していなかった。
ナタリーは波打ち際から離れようとはせず、水平線のさらに先をずっと見つめていた。
続く
次回の話/月明かりが照らすビーチ
前回の話/シリアスなタイミング
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