キング アーサーのここだけの話
上機嫌なナタリー
航空会社への問い合わせの英会話が理解不能になったら、代わってくれるとシンさんが言った。
ということは、公衆電話のある街まで同行してくれるということか。
それならば安心と思えたが、同行してくれたのはシンさんだけではなかった。
「じゃあ、街でランチしようか」ナタリーがみんなを誘った。
「お腹減ってないの?」俺はみんなの顔色を伺った。
「ペコペコのピークを1回超えちゃったから、しばらく大丈夫よ」ナタリーがお腹をさすりつつ笑い誘った。
安心どころではなく、心強さと楽しさが倍増した。
スピードポンチが完全に抜けきったのか、頭の芯に残っていた気だるさも感じない。
それは俺だけでなく、みんなもそうだったようだ。
ナチュラルに楽しい気分だった。
特にナタリーはシンさんが無事に戻ってきたので本当に上機嫌だった。
ナタリーはシンさんの手を引き、街へ向かって歩きはじめた。
続く
次回の話/見覚えのない風景
前回の話/高度な英語ができるかな?
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