LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
道幅いっぱいの厄介者

格別じゃないと言った俺たちに反するように、シンさんは何杯ものビールをオーダーしていた。

「あっちのバンガローに帰ったら飲めないわ。ここでしかできないことをするだけよ」とナタリーもハイネケンのお代わりをオーダーした。

この2人の行動をしばらく見守っていた俺たち3人だが、やがてスイッチは切り替わった。

 

格別じゃないと言った張本人であるケイトも続くように、ビールジョッキを踊るボーイに渡しオーダーを繰り返した。

 

長いランチタイムを終え、俺たちはまた帰路となるジャングルを横断しはじめた。

「演出が気に入らないのは確かだ。でもビールに責任はない」振り返ってもビーチリゾートが見えなくなった頃、シンさんは言った。

 

日も暮れかかり涼しくなったせいか、蚊がやたらと出没しはじめた。

耳元にあの不快な羽音が聞こえるたび、大げさに振り払う。

振り払ってどうにかなるものはいいが、やがてどうにもならない存在に出くわした。

道いっぱいに横たわるオオトカゲ。

その体長は、優に2メートルを超えていた。

 

続く

前回の話/文明の味

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最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。