LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
旅ですれ違っただけのオンナ

俺はいつの間に寝てしまったのか記憶にない。

ある瞬間からの記憶が飛んでしまっている。

 

すべてのドラッグを昨夜使い切ったのか、それとも彼女らが持って出ていったのかわからない。

バンガローから、彼女らの痕跡が何もかもが消えている。

荷物がないのだから、彼女たちに戻ってくる意志がないと俺は理解した。

「しょせん旅ですれ違っただけのオンナだ」と自分に言い聞かせた。

 

これがケイトかジュリーのどちらかひとりと出会い、そのひとりとこの狭い部屋で濃密な時間を過ごしたのなら、ショックは大きかったと思う。

しかし2人の女から同時に愛されたのだから、そもそも夢のような話だ。

彼女たちと過ごした証拠は、何も残っていない。

 

数枚の写真を撮ったが、この島では現像することなどできない。

もしすぐにでも現像できたなら、俺はそのプリント写真を使って彼女らの目撃情報を求め、島中を歩きまわっただろう。

 

 

続く

次回の話/そんな自由は欲しくない

前回の話/オンナごころのわからないヤツ

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最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。