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キング アーサーのここだけの話
空きのある1等席
俺はシンさんと向かい合ったシートにやっと腰を下ろした。
ナタリーの言う通り、このままバンコクまで座っていたら、本当にお尻が固まってしまいそうなほど硬い板張りのシートだった。
「ほかに違いはなかったか?」シンさんが尋ねた。
「あるには、あった」
「どんなこと?」ナタリーは興味津々だった。
長い列車旅だ。
どんな話題でも掘り下げるべきだろう。
「2等席に座っている外国人は、俺たちだけだ」
「そうなの?」ナタリーは驚きを隠せないでいる。
この国の所得では1等と2等の料金差は大きい。
しかし外国人にとっては大した差ではない。
さらに1等はいくらでも空きがある。
それにもかかわらずシンさんは、なぜにわざわざ2等列車を選んだのだろうか。
続く
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