まじ手仕事 その4 切り文字
今時切り文字を糸ノコ盤で切っているのはかなりの少数派に違いない。
物作りの様々な分野が機械化されて行きその機械がデジタル化、さらにAI化の波が押し寄せて来てヒトのやる仕事はスイッチのON-OFFと材料のセット、消耗品交換くらいになってしまいそうな勢いだ。
これの是非はすぐに判断できる物ではないだろうが人手やらコストやらの事情もありどんどん増殖していくだろう。昔読んだSFに登場していた物が数多く現実となっている。
切り文字もレーザー彫刻機等がどんどん安価になり手軽になってきている。
人が手作業で切った文字はいいにつけ悪いにつけ程度の差はあるが”誤差や狂い”が生じる。これを味と見る向きもあろう。あまり味に価値が出てしまうと味を分析されて機械に組み込まれてしまうかも知れないのでウカウカしていられない?
手仕事はつまるところ味のかたまりとも言える。作家によってもちがうし同じ作家でも二度同じ事はなかなか出来ない。
アートやクラフトは機械やAIが苦手にしている要素の集合、面倒くさいことの集合体だからかも知れない。
同じことではなく色んな条件によって臨機応変にやり方を変えるというのはシステム設計者からするとやりたくない分野の筆頭ではないかと想像するのだがどうだろうか。
まあ、何でもコスパで判断されがちなのでさして儲からないジャンルは見向きされないと思うが。
物作りの世界はあまり道具の進化等が他の世界よりもゆっくりしているので世の中からポツンと置いてかれた感覚を持つことがたまにあるのだが今となってはむしろそここそ強みなのではないかと思う。
こと手仕事に関してはAIに仕事を奪われる最後か最後から2番目くらいのジャンルだろうから今のペースでのんびり作り続けることにしよう。