COOK,  LIFE

珈琲をもう一杯/第十三話 「粉軍粉闘」

ペーパーで淹れるなら中挽き位ですね。
って、僕も良く言うのですが、さて、中挽きってどのくらいの粗さなんでしょうか。

ものの本には、中挽きはグラニュー糖より少し粗いとか、
指でつかんでジャリジャリするなどと書かれています。
ミルによっては、ダイヤルに図示されているものもありますが、はてさて。
数値で表すにしても、挽いた粉にはバラツキがありますし。
イメージは出来るんですけど、表現するのは難しいです。

そこでペーパーは中挽き、と言う縛りはちょっと置いておいて、
ミルに目盛りが付いているのであれば、いくつかの目盛りで挽いて淹れてみて下さい。
粗く挽くとこんな感じとか、細かくなるとこうなる等、粉の粗さと味の関係が理解できると思います。
また、自分なりの基準も出来るのではないでしょうか。
そうこうする内に、ペーパーで淹れるならこれ位が美味しい、
とか自分好みの味にするにはこれ位だっ!というのが見つかると思います。

多分、そのあたりが中挽きですよ。
因みに、僕基準の中挽きは少し粗めですけどね。

次に、使用する粉の量についてですが。

粉の量をケチるのはダメです。と、先手を打っておきます。

基本となる使用量は、ザックリと1g10cc10g100cc です。
あとは好みで多くしたりして下さい。
薄く淹れたい時でも、粉を減らさず注ぐ湯の量を多目に、
若しくは、粉を少し粗目に挽いてみて下さいね。
また、複数人分を淹れる時は濃い目となるので、抽出量を多目にとる、
粉を粗目にするなど工夫して下さい。

因みに、僕はペーパーで淹れる際、薄目にしたい時は湯の量で調整、
また、酸味、苦味、渋味などを軽くしたい時は粗目にする等粒度で調整しています。

どうして、粉をケチってはダメなんですか、と、良く聞かれます。
その際には、美味しいエキスを取る為にフィルター内の粉の層を厚くしたいんです、
とお答えしているのですが・・・

僕は珈琲屋で、豆を売っています。

航空会社に勤めていたものの、うん十年前は「カヌーイストになるんだ!」と、チキンラーメンを食しながら川を下る。 かと思えば、「ウミンチュになるぞ!」と、沖縄の海で鯨を追いかけたりもした。 が、「ちゃんと仕事はしてるのか!」と、皆が疑問を呈しだしたので、「こりゃいかん」と退職。 まっとうな人生を送るべく、珈琲屋として再スタートを切る。 深煎り珈琲が味わえる『スリーペンギンズ』(横浜市磯子区滝頭 3-4-22)の店主に収まる。