LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
ナタリーの不意打ち

スラーターニーからクラビーへ。

南北の違いはあるが、朝に神戸港へ到着し、「ビーチへ行こう」と向かった先が鳥取砂丘だった。

ナタリーの不意打ちはそんな距離感。

 

距離感こそそんなもんだが、道はかろうじて舗装されているも、長年補修を施されていないガタゴト道。

オンボロで黒煙を撒き散らすバスは道の凸凹を受け止め切れず、体をモロに突き上げる。

 

ただでさえ、なんとなく気まずい雰囲気でバスに乗ったのに、バスも道もそんなだから3人に会話が生まれない。

ただ予想もつかない道の展開とバスの挙動にドキドキしながら車窓からの風景を眺めていると、会話がなくともまったく退屈しなかった。

 

バスが途中で故障してしまわないかと心配したが、なんとか昼過ぎにはクラビーへ到着。

ナタリーは着ていた服を素早く脱ぎ捨てると、誰より先にビーチで横になった。

 

続く

前回の話/明るいうちにビーチへ

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最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。