COOK,  LIFE

珈琲をもう一杯/第十四話「道具の話、フィルター編」

ペーパーを利用して淹れる器具には様々な形や素材のものが出ていますね。
名称もドリッパーだったり、フィルターと言ったりと。
いったいどれを選んだら良いのか? 悩んでしまいます。

そこで、選ぶ上でのポイントをザックリと。

先ず、区分としては粉をお湯で浸して抽出する浸漬タイプ(代表的なものでは台形で、底に一つ〜複数の穴が開いているもの。)と、
フィルターの中の粉を濾過層として抽出する透過タイプ(主に円錐形で底に大きめの穴が一つ開いている。)に分かれます。

ずぼらな人、雑な人、根気の無い人、いちいち丁寧にやってられるかって人→浸漬タイプ向きです。

始めにザッと湯をかけて、暫く放っておいて(蒸らしをして)、その後、数回に分けて投げやりに?湯をかける。 でも心配無用、ドリッパーの中でコーヒーの粉と湯が混ざり底の穴からは一定の速度でコーヒーが抽出されます。 つまり、ドリッパー任せなわけです。

反して、

几帳面な人、丁寧な人、根気のある人、マニアックな人→透過タイプ向きです。

注湯のコントロールで抽出速度を調整出来るので、湯量を調整しつつ、しっかりとした味を出すのであればゆっくり、さっぱりとした味を出すのであれば早目に注湯します。
つまり、淹れる人任せなわけけです。 僕はこのタイプで、やれ点滴だの、白糸落としだのと、やたらマニアックにやってますが。

で、気になる味わいは、

浸漬タイプは優しい、マイルド、普通に美味しいじゃんって感じ。

一方、透過タイプは注湯のコントロールが上手くいくと、香り高い、綺麗でクリア、おおー美味しいじゃんって感じ。

自分の性格やら、味の好みを考えて選んで見て下さいね。

おっと、これは僕の今までの経験に基づく個人的な所感でフィルター、ドリッパーの優劣を述べたものではありませんからね~。

浸漬タイプのドリッパーに適当に粉を入れて、ざっさっ、ぱぱっ、と淹れた深煎りのコーヒー。
サンハウスのブルースに合うような気がします。

航空会社に勤めていたものの、うん十年前は「カヌーイストになるんだ!」と、チキンラーメンを食しながら川を下る。 かと思えば、「ウミンチュになるぞ!」と、沖縄の海で鯨を追いかけたりもした。 が、「ちゃんと仕事はしてるのか!」と、皆が疑問を呈しだしたので、「こりゃいかん」と退職。 まっとうな人生を送るべく、珈琲屋として再スタートを切る。 深煎り珈琲が味わえる『スリーペンギンズ』(横浜市磯子区滝頭 3-4-22)の店主に収まる。