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若気ノイタリーの備忘録 アウトドア派のための刺繍キット 『The Pigeon Coop』-2

ドキドキの初体験レポート

マーケットで「The Pigeon Coop」のクロススティッチ裁縫キットを購入したのは6月。しかし、英語の勉強やら仕事やら遊びで忙しく、実際に手をつけ始めたのは9月後半になってしまった。

ちなみに僕はその間に大都会トロントを離れ、カナディアンロッキーの中にあるバンフという街に引っ越してきた。カナダ一標高の高い街であるバンフに初雪が降り、いよいよ外遊びが出来なくなった頃、ようやく僕はキットの封を開けたのだ。

今回は、この刺繍作品が完成するまでの、長い道のりをご報告したい。

キットの中身はこんな感じ。柄の設計図/縫い方の解説冊子/AIDA生地(刺し子の布)/刺繍針/刺繍糸各色/刺繍枠。これさえあれば何も考えずにズブの素人がクロススティッチを制作できるというワケ。

 

縫い方はこの写真のように文章だけでなく図と共に説明されているので、英検3級レベルの僕の英語力でも想像力を働かせれば理解可能。今回のキットは縫い方のバリエーションも数種類しかなかったのでラクチンだった。

 

必要な色の刺繍糸が用意されて、設計図で指示されている位置に指定されている色と縫い方で糸を通していけば、いつかは完成する。

これは別に指示にはなかったけれど、上から何マス目の左から何マス目……とやっていては座標を見失ってしまいそうだったので、僕は経緯の中心に仮の糸を通してみた。

 

まずは指慣らしに文字から縫い始めた。「I’d rather be HIKING」意訳すると「ていうか、ハイキングして〜」というメッセージなのである。

「I’d rather~」で「私はむしろ〜がしたい」という意味になる。ここテストで出るので覚えておくように。

 

アウトラインを先に縫った方がいいと思い、山々の稜線をチクチク。上の方に木も現れた。ここまでくるのに5時間くらいかかってしまったと記憶している。

小学校の選択授業では家庭科を選択、高校時代は古着のリメイクに時間を費やし、その後、一応ファッション専門学校で青春時代を過ごしたワタクシ鈴木。裁縫にはほんの少しだけ自信があったのに、この有様である。

暖炉のそばでビング・クロスビーを聴きながら。たまにビールを口に運んで、ひたすらチクチク。

やっているうちは楽しいのだけれど、一回始めると時間を取られるのでたまにしか手をつけず。結局2ヶ月ほどに渡ってゆっくり仕上げることになった。

 

山は少しづつ刺繍糸の色を変えている。これをデザインして設計図を作るなんて、相当なセンスがないと出来ないなと感じた。

……ところでトータルで僕は何千回針をストロークしたのだろうか? 思った以上に時間がかかって、見た目以上の肉体労働となった。何より首が辛くなった。I’d rather be hiking than sewing.

 

ステッチ自体は複雑ではないものの、針を刺す場所どこだったっけ?と、たまに手元がおぼつかなくなる。長時間コレに向かっていると目がショボショボしてきて、目の悪い僕を悩ませた。

 

行け行け鈴木! あとはハイキングシューズのアッパーと靴紐部分を縫うだけだ!

 

ついに完成!

メーカーの人には「初心者なら16時間くらいかな?」と言われたけど、おそらく20時間以上を費やして完成した。初めてにしてはかなり良い仕上がりなのではないだろうか?

写真や絵を飾るのも素敵だけど、ハンドクラフト感があるクロススティッチ刺繍を部屋に飾るのも優しい感じでアリ。The Pigeon Coopのデザインなら、男女問わず飾れるだろう。

近頃彼らのインスタグラムを覗いて見たら、どうやら季節に合わせて最近は冬っぽいデザインをリリースしている様子。

販売ページでは日本へのシッピングも行っているみたいなので、クリスマスプレゼントなどに活用されて見てはいかがだろうか?

 

Information

The Pigeon Coop Designs

販売サイト:https://www.etsy.com/shop/PigeonCoopDesigns

Instagram:@pigeoncoopdesigns

 

 

アウトドアライフスタイルマガジン「HUNT」の創刊から編集者として携わりフリーランスに転身。現在はワーキングホリデーで海外に住みながらパートタイムで日銭を稼ぎ、英語を練習し、現地で見つけた面白いものを取材して雑誌やwebマガジンで紹介中。