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若気ノイタリーの回顧録 オーストラリアで格安カーボン三脚を買った話

ウォーナンブールは、世界で最も美しい海岸道路と言われている、グレートオーシャンロードの終わりの街でもある。

ちょっと季節を遡って秋。といっても4月ごろのお話。僕はカナダに来る前、オーストラリアの田舎町ウォーナンブールという街にいた。メルボルンから西に300kmほど行った海沿いの田舎町で、僕は食肉加工場に用事があってひと月ほど滞在することになったのだ。細かい理由は話すと長くなるので割愛するが、毎日暇だったので写真撮影を楽しんでいた。

 

どうせなら奮発してカーボン三脚を!?

オーストラリアの田舎だし、空が明るくないから夜景を撮ったら星が綺麗に映るのではないか? ある日そう思って海まで夜景を撮りに行く事を計画。

しかし、夜景を撮るには当然三脚が必要になってくるが、オーストラリアに入国する際、飛行機の荷物制限の兼ね合いで三脚を日本から持ってきていなかった。とはいえ他の仕事でもやっぱり三脚が必要になって、どちらにせよ新しいものを買わざるを得なかった。

ウォーナンブールに来る前、メルボルンのカメラ屋を回った時に三脚の値段を見ていたのだが、やはりいい三脚は良い値段する。アルミやプラスチックの安いのも1万円ぐらいであったのだが、僕が日本に置いてきたものと同じような中途半端なものだったので購入に至っていなかった。

近くの街で撮影したワラビーの写真。ちなみに大きさによって、ワラビー、ワラルー、カンガルーと呼び分けるそうな。

今後一年以上は海外で生活する予定でもあったので、ある程度軽くて丈夫なものをと考えた時に、やっぱりカーボンが欲しいなぁと思った。

しかしマンフロットやジッツオ、スリック、ベルボンなどの名の通ったブランドのカーボン三脚は余裕で10万円してしまう。仕事で写真を撮るとはいえプロのカメラマンではないし貧乏人なので、さすがにそれらは買えない。

答えが出ずに悶々とネットサーフィンをしていたら、何と1万円ぐらいで中華ブランドの三脚が買えてしまう事に気が付いた。

これがその中華ブランドNeewerのカーボン三脚。お値段なんと131.99豪州ドル。実はオーストラリアでなくても売っていて、日本のアマゾンでは9699円(この投稿執筆時)。

近年は中華・韓国ブランドのカメラ用品がハイクオリティになっているようで、この三脚以外にも、単焦点レンズやストロボとかでもまあまあいい話は聞く。YONGNUO(ヨンヌオ)、NEEWER(ニューワー)といったメーカーは、僕みたいなお金のないアマチュアにいい夢を見せてくれるのだ。

という事で、件の三脚もネットでは必要十分だという意見も散見したので、早速ポチってみた。田舎ではネット通販が捗った。

amazon.auから三脚が到着。

オーストラリアにアマゾンが上陸したのは数年前とのことで、全体としては日本に比べて商品の数も少なくて、そんなに安くない印象だった。翌日配送など、発送の早いオプションのあるものもあまりなかったと記憶している。オーストラリアの通販全般に言える事だが、シッピングフリーや速達などはあまり望んではいけない感じなのだろう。

それでも三脚は注文してから数日後に届いたので良かった。

早速だが、ユーチューバーの開封動画よろしく品物を簡単に説明させていただく。

52 x 13 x 13 cm /2.16 Kg。思っていたよりがっちりした作り。

 

みんな大好き自由雲台。つまみはコンパクトながら、しっかりホールドしてくれる。
カーボンらしい柄。
このようにローアングル撮影もできちゃう。
一脚にトランスフォーム。注目のギミック。地味に使えそうだ。
アマゾンの商品紹介にはトレッキングポール的に使えると書いある。さすがにこれは信用してはいけなそう(笑)。

 

海辺でひとり、星景写真撮影

さて、これで星が撮れぞ! とアマゾンで買った自転車にまたがり、厚着をして海辺にやってきた。4月の頭は夏の終わり。オーストラリアといえどウォーナンブールは南の方なので割と気温が高くなく、夜になると15度ぐらいになった。

木でできた遊歩道と空。

ところで、タイトルにも夜景と書いたが星景写真と言った方が正しいかも知れない。夜景というと街のあかりなどを含めた夜の風景という意味合いが強いが、星景写真というと星空と風景を含めた写真のことを指す

荒涼とした海岸線。ハレーションが出来てしまったのが残念……。

結局、田舎とはいえ海岸道路に街灯があり、お月さまも満月に近かったので思い通りに真っ暗という感じにはならなかったが、まあまあ撮れたかなと思う。

星座の名前などわかったらウンチクを語りたい所だけれど、そんな知識はなく。とりあえず僕の中では良い思い出になった。

肝心の三脚の方はというと、風が常に吹きつける海っぺたで長時間露光という悪条件だったけど、全然問題なく使えた。バッテリーグリップをつけて、もっと重いレンズを付けたらわからないけど、心配していた自由雲台も動くことなく、僕の機材で使うには十分だった。

次はトレッキングポール兼一脚として山登りにでも持って行こうかな(笑)。

CANON EOS 6DとSIGMA 12-24 F4.5-5.6 DG HSM にて撮影。

アウトドアライフスタイルマガジン「HUNT」の創刊から編集者として携わりフリーランスに転身。現在はワーキングホリデーで海外に住みながらパートタイムで日銭を稼ぎ、英語を練習し、現地で見つけた面白いものを取材して雑誌やwebマガジンで紹介中。