LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
水平線のさらに先

今日はシンさんの誕生日だ。

出会ったころは可愛い女の子を見つけるとすぐに追っかけていく本能のままに生きる野獣だったが、あれから30年近く経ち、ようやく人らしい一面も見せるようになってきた。

But you can’t stop the change, any more than you can stop the suns from setting.

 

しかし、本質的には50歳を過ぎても変わらずアホウのままでもある。

Remember, the Force will be with you, always.

 

2つの映画の名セリフをもって伝えたい、<52歳の誕生日おめでとう>と。

遠く離れたシンさんにだけ伝わればいいので、あえて翻訳をしないし、出典映画も明かさない。

本題である「キング アーサーのここだけの話/水平線のさらに先」に戻す。

 

 

「昨日も、シャーキングで朝帰りだったことだし」

心配するナタリーに俺は、ホエールシャークに導かれ朝までスキンカヤックを漕ぎ、大海原を巡っていたロマンチックな冒険家、シンさんのことを話したつもりだった。

でもこのころのスラングで、<シャーキング>はナンパ目的で徘徊することを意味していた。

 

そんなスラングを知らない俺は、ナタリーがますます重い空気に包まれていく起因が俺の言葉にあったことを、まったく理解していなかった。

 

ナタリーは波打ち際から離れようとはせず、水平線のさらに先をずっと見つめていた。

 

続く

次回の話/月明かりが照らすビーチ

前回の話/シリアスなタイミング

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。