LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
フネに乗って、女のとこに

ドラッグとセックスしかない日々だった。

「スキンカヤックに乗ってれば、しょっちゅうイケるらしいよ。シンさんが言ってた」

俺は、ケイトとジュリーに告げた。

 

「ふ〜ん。あのフネに乗って、ほかの女のとこに会いに行ってるんだあ」と焦点の合わない目で、ケイトが応えた。

「女のとこじゃないよ」シンさんからはっきり聞いたわけではない。

「じゃあ、男?」とジュリーが聞いてきた。

「禁断の果実ね」とケイトが続けた。

「そうじゃない。もっと精神世界の話なんだよ」俺はシンさんから感じたことを話した。

 

続く

次回の話/海を見つめるナタリー

前回の話/完璧に再現できないあの日

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。