LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
オンナごころのわからないヤツ

昨日、見えないシンさんに向かって「オンナごころのわからないヤツだ」と苦言を呈した俺だが、本当にオンナごころがわかってなかったのは俺だった。

目覚めるとケイトとジュリーがいなくなっていた。

 

狭いバンガローでハーブを1日中焚き、アイスを炙り、マッシュルームを頬張った。

この島で手に入るあらゆるドラッグを3人で使ってみたが、あの日の快楽を味わうことはできなかった。

 

そんなこと百も承知だったが、それでもそこに溺れずにはいられなかったのも事実だ。

俺はケイトとジュリーに引きずられるようにドラッグに手を出した。

彼女たちにはすでに耐性ができあがっていたのか、それとも俺が彼女たちより多くを摂取したのかわからない。

 

俺は気絶したように倒れ、そのままいつまでも眠りほうけた。

起きてみるとケイトとジュリーがいないだけではなく、彼女たちの荷物もなくなっていたのだった。

 

続く

次回の話/旅ですれ違っただけのオンナ

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最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。