キング アーサーのここだけの話
オンナごころのわからないヤツ
昨日、見えないシンさんに向かって「オンナごころのわからないヤツだ」と苦言を呈した俺だが、本当にオンナごころがわかってなかったのは俺だった。
目覚めるとケイトとジュリーがいなくなっていた。
狭いバンガローでハーブを1日中焚き、アイスを炙り、マッシュルームを頬張った。
この島で手に入るあらゆるドラッグを3人で使ってみたが、あの日の快楽を味わうことはできなかった。
そんなこと百も承知だったが、それでもそこに溺れずにはいられなかったのも事実だ。
俺はケイトとジュリーに引きずられるようにドラッグに手を出した。
彼女たちにはすでに耐性ができあがっていたのか、それとも俺が彼女たちより多くを摂取したのかわからない。
俺は気絶したように倒れ、そのままいつまでも眠りほうけた。
起きてみるとケイトとジュリーがいないだけではなく、彼女たちの荷物もなくなっていたのだった。
続く
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