LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
そんな自由は欲しくない

部屋にドラッグは何ひとつ残ってないが、ハーブの甘い香りは蚊帳に染み込んでいた。

飛ぶことはできないが、心地よい気分にはさせてくれた。

彼女たちが出ていったその日、俺はバンガローから1歩も外へ出ることはなく、文字通りベッドでゴロゴロしていた。

 

昨日までは3人で川の字になって寝ていたベッド。

寝返りを打つことなんて不可能だったが、いまはベッドの端から端まで自由に転がっていける。

そんな自由なんてまったく欲しくない。

 

夢のような日々。

本当は夢だったと自分に言い聞かせが、やはり心惜しかったのだろう。

ベッドの両端にケイトとジュリーの温もりを探し、何度も往復した。

 

続く

前回の話/旅ですれ違っただけのオンナ

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。