珈琲をもう一杯 / 第三十一話「山羊飼いになったペンギンとエチオピア・モカ」
エチオピア・モカの深煎りを飲みながら
The Band の The Weight を聴いていたら
いつの間にか夢の中で
山羊飼いになっていた
飼っている山羊達が森の中の
赤い実を食べて踊り狂って
いるのを目撃した僕。
不思議に思い、幾つかの
赤い実を採り近所のピンクに
塗られた家に持ち込んだのです。
そこには修道士の姿をした
男爵、アーサー、シンさんにナタリーが。
僕が「山羊達がこの赤い実を
食べたら、目を爛々に輝かせ
踊りだしたんです。
この赤い実は何ですか?」
と、問いかけると、
男爵が「どれどれ、私が預かろう。
君はもう帰りなさい」と、
赤い実の正体が気になった僕は、
夜中こっそりとピンクの家に行き
窓から中を覗くと・・・・
なんと、男爵、アーサー、シンさん、
ナタリーが暖炉の前で腰をフリフリ
目を爛々に輝かせて踊っていました。
こっそり覗いていたつもりが
身を乗り出してしまい、
男爵と目が合っ・・・
気まずい顔をした男爵は、
「ええいっ、こんなものっ」
と燃えさかる暖炉めがけて赤い実を
なげつけました。
水曜どうでしょう。 もとい、
するとどうでしょう。
煙がもくもく立つとともに
びっくりするような
良い香りが漂いはじめたのです。
食べると元気になり、火にくべると
香り立つ赤い実は魔法の実だったのです。
take a load funny,
take a load for free.
ちょうどここで夢から覚めたのですが。
場所はエチオピア
僕をカルディ少年、男爵以下を修道士に
置換えたら、エチオピアの珈琲発見伝説
ですね。
おっと、ピンクの家は修道院です。
The Band の曲を聴きながら飲む
エチオピア・モカはフルーティで
甘〜い香りがして、味の層が幾層
にも重なった、深い、深いコクが
僕を虜にします。