LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
チョコレートちゃうよ

意識不明だったシンさんが、島に古くから伝わる丸薬によって元気が戻った。

「どうせ、カピカピに乾いた正露丸だとばかり思ってたけど、チョコレートだったとはね」俺は元気そうに歩くシンさんの肩を叩いた。

「ちゃうよ。チョコレートちゃうよ。チョコやって」

 

俺はしばし絶句した。

シンさんは意識不明で、本当に頭がイカれてしまったのだろうか。

いや、そんなはずはない。

「チョコとチョコレートのどこに違いがあるんだよ」俺はようやく言葉を紡ぎ出した。

「ぜんぜんちゃうやん。チョコとチョコレートやで。性質が真逆やん」

「シンさん、気は確かか?」尋ねずにはいられなかった。

 

「あっ、性質は一緒って言うてもええかな。生い立ちはまったくちゃうけど、どっちも気を落ち着かせてくれるもんやしな」といって、シンさんは笑った。

 

続く

前回の話/医師を目指すという進路を絶つ

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。