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若気ノイタリーの回顧録 アフリカ最大の動物保護区で自走サファリ旅 -4

朝から晩までサバンナをひた走る。

サファリ2日目は動物が活発に動いている朝方から移動するぞ! と思っていたのだが、思った以上に疲れていたのかベッドから出たのは朝8時。

のそのそと身支度をして車でキャンプ地を立つと、3分くらいでなにやら人だかり、もといクルマだかりが。そして視線の先に目をやると……ライオンが寝そべってるじゃありませんか。

メスのライオンがじゃれあっているぞ!!っと視線で捉えつつも、あまりに多くのクルマが停まっているし後続車も来たのでじっくり見ることも出来ず。徐行で通り過ぎ、運転しながらなんとか撮った写真がこれ。ぼやっとしてるけど3匹いるのがおわかりいただけるだろうか。

といっても、こんなに入場ゲートのそばにいる位なんだから、どうせ後で飽きるほど見られるだろう。僕はいいんですよ。わざわざ人だかり作ってるところで見なくても。

悔しいからそうゆう事にしたが、その後こんなチャンスは巡ってこなかった。

さて、2泊3日でクルーガーナショナルパークを巡っていた僕だったが、朝から晩まで公園内にいられるのは中日のこの日だけ。今日は沢山動物が見れるはずなんだ!という事で、当てもなく、ひたすらレンタカーでドライブをする事に。

実際、昼行性の動物はクルマで走っているだけで視界に入ってきた。上の写真のチャクマヒヒは南部アフリカ特有の種で、猿の仲間で4番目に大きいんだそう。ヴァスコ・ダ・ガマが上陸したとされるアフリカの最南端、喜望峰に行った時にも見かけたので、あんまり個人的にふーんくらいの感動度合いだったけれど、日本では動物園にもいない珍しいヒヒらしかった。

 

500種類の鳥類がいるとされているこの国立公園。クルマを走らせていると小さな動物に気がつかず通り過ぎてしまっているが、たまに路肩に停まってクルマのエンジンを切ると風邪の音に混じって鳥のさえずりが聞こえてきた。

鳥の判別に関しては人一倍自身のない僕なので(過去にカモ猟で誤認のトラウマあり。調べないでください)上の写真の鳥もなんだかわからないけれど、野生動物はほんと無心で見れられるからいい。

ペットを飼ったことがある方なら共感いただけると思うのだが、ペットにバレないような位置から気づかれないように彼らを観察するのってすごく楽しい。

このようにキョロキョロ辺りを見渡してる鳥は僕にとっちゃ時間泥棒である。

見かけた中で特に可愛かったのがこの鳥。

英名はSwainson’s Spurfowl 。日本名はクロアシノドアカシャコ。確かに脚が黒くて喉が赤い。キジの仲間らしい。

 

飛べない鳥代表のダチョウ。なんだかフサフサしてる。

ってテキトーな説明しか書けないからナショナルジオグラフィックには一生縁が無いな。

 

お次はアメリカの国鳥ハクトウワシっぽいけど、それとは異なるサンショクウミワシ。英名はFish Eagleで、名前通りよく魚を食べるワシとのこと。湿地帯にて撮影。

道すがらにあったレストエリアで給油。走っているとフロントガラスへの虫アタックがすごいので、掃除してくれるのは大変助かった。

基本クルマから出ちゃいけないので、ガラスを綺麗にするのは大変重要なこと。

 

レストエリアのボードにはマグネットが置いてあって、立ち寄った人は目撃した動物の色のマグネットを、目撃した場所のところに貼っていく。日によって、動物も移動しているので、この掲示板はかなり参考になる。

 

異なった動物が同じ場所でたむろしている光景は、特にシマウマでよく見かけた気がする。オグロヌーも縞模様なので仲間意識があったりするのかしら(笑)

 

サファリは平坦な道ばかりではなく、丘陵地もある。レストエリア内のテラスから川を眺めて、ジーっと観察していると……いた。

 

カバがあんなに小さく見える場所に。

 

動物が見つかる時はひっきりなしに見つけられるのに、場所によっては30分、1時間走っていても動物が見当たらないことがあるから、来園者の探索熱も上がる。

こんな舗装路走っていたのではダメだ! 未舗装路でも幅の広い道路はだめだ! と、段々と玄人っぽい狭い道を走りたくなり、土埃をあげて進んでいた時、何やら視界に二頭のインパラが入った。

どうも今まで見てきた群とは様子が違そうで、遠くから観察していると「ガッ!!」とツノとツノを当てて取っ組み合いをおっぱじめた。こういうのですよ。僕が見たかったのは!

望遠レンズを構えながら、いいぞ!もっとやれ〜! と観戦していたが、向こうが僕の車に気づいたらしく一時休戦で二頭ともどこかに行ってしまった。

 

【次回】サバンナの夕暮れとナイトサファリ。

問題:この夜、鈴木が懐中電灯で照らした先にいた百獣の王はなんでしょう?

 

アウトドアライフスタイルマガジン「HUNT」の創刊から編集者として携わりフリーランスに転身。現在はワーキングホリデーで海外に住みながらパートタイムで日銭を稼ぎ、英語を練習し、現地で見つけた面白いものを取材して雑誌やwebマガジンで紹介中。