LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
無理にはしゃぐナタリー

キング アーサーのここだけの話<br>無理にはしゃぐナタリー

 

この島に来てからというもの、毎日星空を見て過ごしている。

俺は夜型人間だから、星空を眺められる時間はほかの誰よりも長い。

 

東京にいるころは夜空を見上げても星なんて見えなかったから、この島からの夜景は格別に思える。

特にケイトもジュリーもいなくなって、夜がことさら暇になってからは、空を眺める時間が長くなった。

星空ばかりを探索しているから、目もよくなっている気がする。

 

満月にこの島にやって来て、もう2週間が経とうとしている。

月が日に日に小さくなっているから、日に日に星がよく見えるようになってくる。

 

この島を離れる新月が近づいていることを、ナタリーは気づいているのだろうか。

気づいているからこそ、昼間あんなにも、無理にはしゃいでいるのだろうか。

 

続く

次回の話/誰もいないテーブル

前回の話/自由に向かって、逆方向へ

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

 

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。