キング アーサーのここだけの話
誰もいないテーブル
ケイトとジュリーと俺。
対面にはシンさんとナタリー。
日本で言うところのお誕生席には、バンガローのオーナー。
ビーチに設置されたこの古びたテーブルで、どれだけの会話を重ねたことだろう。
たった2週間だったが、あまりにも濃密な時間をここで過ごした。
いや、ドライなポーズをとるシンさんとナタリーとっては、たいした時間ではなかったのかもしれない。
急に姿を消したケイトとジュリーにとっては、人生の無駄な時間だったかもしれない。
それでも俺にとっては人生を大きく揺さぶった震源地だ。
誰もいないテーブルで、俺はひとり静かに考えた。
誰もいないテーブルだからこそ、答えも見つかった。
そうだ。
サハラに行く前に、寄らなければならない場所もある。
続く
次回の話/先の読めない俺
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