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キング アーサーのここだけの話
それは野暮というものだ
正確に言えば、日本語が聞こえたわけではない。
俺に声がかけられたのだ。
「シンさん、俺がいるのよく気づいたね」
もちろんその声の主は、ほかにいないだろう。
「ちょっと遅くなったから、心配して来るなあと思っててん。ほんでナタリーは?」
「その辺にいると思うけど・・・」
島を出る前に、ナタリーとじっくり話した方がいいんじゃないの。
そんな言葉が出そうになったが、ぐっと飲み込んだ。
それは野暮だ。それは野暮というものだ。
吐き出しそうになるのを、野暮という言葉で押し戻し、なんとか喉の奥の方に詰め込んだ。
続く
前回の話/人工的な明かりって、嫌やな
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