キング アーサーのここだけの話
レセプションにいた女の子
シンさんは彼女の存在を知っているのだろうか。
「誰だとしても、通訳を通訳をお願いしたい。俺のリアルな思いを正確に伝えて欲しいんだ」
「なんでもったいぶるんや」
「もったいぶってるつもりはないけど、彼女のこと知ってるかなあと思って」
「まあ僕がその子のことを知らんくても、厚かましく話し込めってことやな」
「厚かましくってことじゃないけど、より詳しく伝えて欲しいんだ」
「深刻やな」
「うん、深刻。人生の転換期」
「大袈裟やな」
「やっぱ大袈裟かな」
「でも、いい話や」
いい話といってくれたので、気が少し楽になった。
「ホテルのレセプションにいた、唇がちょっと厚めの女の子って知ってる?」
俺はあらためてシンさんに訊いた。
続く
前回の話/雑多な景色の中での決意
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