キング アーサーのここだけの話
彼女はきっと男として生まれた
人は多様性があり、たぶん男とか女とかの2つだけの性では分けられない。
いまだからこそ、そんなこと普通なことに思える。
でも1990年代、日本では普通とは思えない事象だった。
「つまり、あのアンジェリーナ・ジョリーに似た子は女じゃないってことでしょう」
「女やないってことやあらへん」
「何言ってるか、さっぱりわからないよ」
「女かもしれんし、女やないかもしれん。ただアーサーがこれまでに付き合ってきた女とは、確実にちゃう」
俺の付き合ってきた彼女すべてを知らないくせに・・・とは思ったが、あらかた意味は通じた。
彼女はきっと男として生まれた。
でも見た目は女性として生きたいと思っているに違いない。
しかし、心も女として生きたいのか。
性はどの性別を好むのか。
気持ちまでは、いまのところわからない。
続く
前回の話/彼女は、彼女とちゃうで
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