LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
彼女はきっと男として生まれた

人は多様性があり、たぶん男とか女とかの2つだけの性では分けられない。

いまだからこそ、そんなこと普通なことに思える。

でも1990年代、日本では普通とは思えない事象だった。

 

「つまり、あのアンジェリーナ・ジョリーに似た子は女じゃないってことでしょう」

「女やないってことやあらへん」

「何言ってるか、さっぱりわからないよ」

「女かもしれんし、女やないかもしれん。ただアーサーがこれまでに付き合ってきた女とは、確実にちゃう」

俺の付き合ってきた彼女すべてを知らないくせに・・・とは思ったが、あらかた意味は通じた。

 

彼女はきっと男として生まれた。

でも見た目は女性として生きたいと思っているに違いない。

しかし、心も女として生きたいのか。

性はどの性別を好むのか。

気持ちまでは、いまのところわからない。

 

続く

前回の話/彼女は、彼女とちゃうで

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。