キング アーサーのここだけの話
俺を好いてくれる可能性
だから彼女に会って直接聞かねば、というのが俺の今すべきこと。
バンコクのあのゲストハウスへ向かい、部屋が空いていれば泊まる。
そして彼女の出社を待ち、会って直接話す。
彼女が今後、俺を好いてくれる可能性があるか。
好いてくれるのは、ずっと先になったっていい。
とりあえずは友人としてでも、俺と一緒にいてくれるか。
友人として、一緒に旅に出てくれるか。
いい香りがしたら、面白そうな雰囲気が漂ってきたら、ただそれだけで方向を変えてくれるか。
俺のことを覚えているかもわからないあのアンジェリーナ・ジョリーに似た彼女に、不躾にもこれだけのことを一気に問い詰める。
たったひとつのアンサーも返ってこない気がする。
それでも俺は聞いてみたい。
俺は、シンさんにそう告げた。
続く
前回の話/彼女はきっと男として生まれた
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