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キング アーサーのここだけの話
俺がいないあいだの密約
ルールを少し把握した俺は、人をかき分けながら、何とか自分の席に戻ってきた。
シンさんとナタリーはもとからいた席に座ったままだ。
「アーサーどこまで行ってきたの?」このわずかな時間で、なぜだかナタリーは上機嫌になっている。
俺がいないあいだに、ふたりにどんな密約が交わされたというのだろうか。
「こんなときは、流れに巻き込まれないように、じっと座ってまってるのがいいんだよ」
一番先に立ち上がり、一番先列車を飛び出しそうなシンさんが、いまだ落ち着いて座っている。
わからない。
「そうそう」
ナタリーもシンさんの言葉にうなずく。
まったく理解不能だし、不可解だ。
でも愉快なことだ。
ふたりが仲よくしているということは。
前回の話/駅到着直後の一瞬
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