珈琲をもう一杯/第八話「道具の話、ミル編」
コーヒー豆を指先でつまんで、鼻先でパチンと割ると、ぷう〜ん、と良い香りが鼻を包みます。
この香りを粉に纒わせながら挽けるものが理想のミルだと思うのです。
そうなると、高速回転で熱を帯びる電動ミルよりも手挽きのミルに軍配があがります。
ゴリゴリと挽いてる内に辺りは良い香りに包まれ、美味しいコーヒーを淹れるんだ、
と言う気分も高まるというもの。
今まで粉で買って下さってたお客さんが
「今日は豆で!、ハンドミル買ったの。」と、笑顔で言われると、僕も嬉しくなり
「お、お〜、ついに買いましたか。コーヒーは豆で買って、淹れる前に挽く。
これで充実したコーヒーライフを楽しめますね。」と。
しかし、暫く経つと皆さんこうおっしゃるのです。
朝の忙しい時に挽く時間が取れないので、
① 電動ミル買っちゃいました。
② また、粉で下さい。
手挽きのミルの素晴らしさも、時間と労力には勝てないのでしょうか。
かく言う僕も使うのはもっぱら電動ミルで、まあ、お店をやっているので、と、言い訳するわけですが。
さて、②のお客さんには電動ミルを薦めるわけです。
電動ミル色々なものが出ていますね。
臼歯、カット歯、カット臼、プロペラタイプ?等々、どれを薦めましょうか。
難しいです。
選ぶ上でのポイントは出来るだけバラツキ無く均一に挽けるものが良いですね。
更に、僕なんかは、小型ハンディタイプではなくまとまった量の豆が挽けて、
どっしりと重さのあるものを薦めるのです。
ミルもオーディオアンプと同じ様に重くてなんぼって感じで、今の時代はちがいますかね。
結論はお気に入りのコーヒー屋さんがあれば
そこで挽いてミルってことです。 間違えました、そこで聞いてミルってことです。
コーヒーライフを愉しみたい方に、ミルは必須です。
豆を挽いた時の香り、これもコーヒーの愉しみの一つです。
この香り、お店に置いてきちゃうのはもったいないです。