LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
それでも俺は自由だ

俺に声をかけるタイミングをいまだと考えていたのなら意地の悪い話だが、彼女にそんな計算はないだろう。

なにも気にせず、素のままで生きているのがケイトだ。

 

「そう、じゃあ一緒に朝ごはん食べようよ」ケイトは続けた。

朝ごはんというには、もう遅すぎる時間。

だがシンさんは明け方までスキンカヤックを漕いでいたとすると、まだ寝ているだろう。

「その前に、シャワーを浴びたい」ジュリーが起き上がった。

「どうぞ、ごゆっくり」ケイトが返した。

 

俺もシャワーへと思って向きを変えたが、次の瞬間ケイトに手を引かれ、朝から連戦を強いられた。

それでも俺は自由だ。

 

続く

次回の話/高度な英語ができるかな?

前回の話/すべては自由になった

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。