キング アーサーのここだけの話
高度な英語ができるかな?
シャワーを浴び終えると太陽はすでに一番高いところへ昇っていた。
レセプションにあるカフェへ向かうとシンさんとナタリー、そしてジュリーがいた。
「もう食べた?」俺が尋ねると、3人とも首を横に振った。
「みんなを待ってた」ジュリーが言うと、ケイトは喜んで3人の元に駆け寄った。
「帰りのチケット、変更しなきゃダメないんじゃないの」シンさんが俺に向かって言った。
確かにそうだ。
今夜というか、日付が変わった頃に出国予定だったから、フライト予約を変更しなきゃいけない。
「でも、変更ってできるのかな」俺が尋ねると、全員が知らないと首を横に振った。
「ここには電話がないから港のとこの街まで行って、公衆電話から問い合わせるしかないな」シンさんが言った。
「問い合わせなんて、高度な英語ができるかな?」俺は不安に駆られた。
「大丈夫よ」ナタリーは背中を押すような言葉をかけてくれた。
「いっぺんに2人の女の子を口説いちゃったくらい、アーサーの英語は上手よ」ケイトが笑いながら言った。
「確かにね」とジュリーも笑った。
続く
次回の話/上機嫌なナタリー
前回の話/それでも俺は自由だ
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