LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
上機嫌なナタリー

航空会社への問い合わせの英会話が理解不能になったら、代わってくれるとシンさんが言った。

ということは、公衆電話のある街まで同行してくれるということか。

それならば安心と思えたが、同行してくれたのはシンさんだけではなかった。

 

「じゃあ、街でランチしようか」ナタリーがみんなを誘った。

「お腹減ってないの?」俺はみんなの顔色を伺った。

「ペコペコのピークを1回超えちゃったから、しばらく大丈夫よ」ナタリーがお腹をさすりつつ笑い誘った。

 

安心どころではなく、心強さと楽しさが倍増した。

スピードポンチが完全に抜けきったのか、頭の芯に残っていた気だるさも感じない。

それは俺だけでなく、みんなもそうだったようだ。

ナチュラルに楽しい気分だった。

 

特にナタリーはシンさんが無事に戻ってきたので本当に上機嫌だった。

ナタリーはシンさんの手を引き、街へ向かって歩きはじめた。

 

続く

次回の話/見覚えのない風景

前回の話/高度な英語ができるかな?

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。