キング アーサーのここだけの話
見覚えのない風景
島に上陸した日、港からピックアップ・トラックに揺られながらバンガローまでたどり着いた。
その逆を徒歩で進む。
真昼のジャングルは適度な木陰を作り快適そのもの。
とはいっても、ルートのすべてがジャングルではなく、アップダウンの連続する緑なき乾燥した不毛の地もある。
そこでは太陽が容赦なく照りつけるが、荷物もないので軽快に進むことができ、まったく苦ではない。
「港まで、こんなに遠かったかな」後ろからナタリーが言った。
「わざと寄り道してたんじゃないの?」シンさんは遠まわりになっていることを早くから気づいていたようだ。
先頭を歩いていたのは俺とジュリーとケイトの3人。
なんとなくジュリーとケイトに誘導されるように、俺は歩いていただけだ。
言われてみれば確かに、こんな風景のところを通ってきた覚えはなかった。
続く
次回の話/華やかなビーチリゾート
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