キング アーサーのここだけの話
華やかなビーチリゾート
引き返すべきなのか、それとも先に進みつつ、港へ通じる道を探すべきなのか。
誰も地図を持っていないので、島全体のルートを把握していない。
「後戻りはイヤだなあ」最後尾にいるシンさんが言った。
とにかくこの道をゆけば、港どころではなく、ローマにたどり着くとも。
「ローマに行く必要ない」とケイトは陽気な声で返したが、顔は少し不機嫌そうだった。
しかしその表情もすぐに晴れた。
ジャングルを抜けると港にはたどり着けなかったが、ちょっと華やかなビーチリゾートが広がっていた。
揃いのパラソルが際立ち、大きな期待が広がった。
「ここなら、電話あるんじゃない!」ジュリーが俺の顔を覗き込んで言った。
なんの確信もないが、俺は頷いた。
「それよりここなら、冷えたドリンクがあるんじゃない!」ケイトが満面の笑みで振り返った。
なんの確信もないが、俺は強く頷いた。
続く
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