LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
上下が歪むほどの体験

昨夜は一睡もしなかったというのに、続く日中もそのまま起きていることになった。

上下が歪むほどの混沌とした世界は、モジョがもたらしたのだろうか。

それともケイトとジュリー2人に攻められたからだろうか。

 

いずれにしてもあの感覚と、あの経験は、その日限りの特別な体験となった。

いくつもの条件が重なり、あの世界に俺を導いた。

 

夕暮れどき、ビーチを歩くシンさんとすれ違った。

シンさんは手に生ぬるそうなコーラの瓶を2本持っていた。

バンガローへ戻る途中だろう。

2本あるということは、ナタリーに許してもらえたということだろうか。

それとも、許してもらうためのデリバリーだったのだろうか。

 

特に長い会話を交わさず、視線だけが出会い、お互いにすべてを理解しあった。

 

続く

次回の話/キース・リチャーズはバカだ。

前回の話/この島ではフツーの1日

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。