キング アーサーのここだけの話
なんの経験もない医大生
ナタリーは俺になんの期待もせずに言った。
「アンコンシャス!」
ナタリーの気持ちもよくわかる。
頼りない俺。
英会話のできない俺。
そんな俺に<こんな高等な単語は知らないだろう>と言わんばかりの目を向けた。
だが俺は、腐っても医大生だ。
アンコンシャス=意識不明。
専門的な単語こそ得意だ。
しかし腐ってないが医大生。
この緊迫した状況で、意識不明の患者にどう対応していいかわからない。
街でドクターを探すのが先決だと俺は息の上がった体に鞭を打ち、さらに足を早めた。
続く
次回の話/野上真一が死ぬ
前回の話/泣きたいのは俺の方
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