LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
激しくも美しい立ち居振る舞い

バンガローの外で甲高い声がする。

野生のサルとも鳥とも違う。

その声の主は明らかにナタリーだ。

 

昨夜はいまにも死にそうなふうだったのに、なにが起こればそんな声が出せるのだろうか。

それとも、ついに気が触れてしまったか。

 

壁の隙間から外を覗き込む。

そこにはカワセミが水浴びをしているような、激しくも美しい立ち居振る舞い。

やはりナタリーだ。

 

そして、あろうことか、病に伏しているはずのシンさんの手を引いていた。

 

続く

次回の話/コーラはなんにでも効く万能薬

前回の話/暗闇迫りくるジャングル

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最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。