LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
今日は特別な日

ナタリーと揉めて以来、シンさんはひとりスキンカヤックで海に出ても、日の高いうちに戻ってくる。

ところが今日に限って、もう日が暮れかかっているというのにシンさんの影はない。

 

今日に限って。

そう、今日は特別な日だ。

 

明日、俺たちは全員このバンガロー村を出て行く。

その先の予定は、俺は誰にも告げていない。

無論俺も、シンさんからもナタリーからも聞いていない。

 

それどころか今日のふたりの予定だって、知らない。

そしてシンさんが、いまもいない。

 

続く

前回の話/先を読めない俺

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。