キング アーサーのここだけの話
ナタリーの不意打ち
スラーターニーからクラビーへ。
南北の違いはあるが、朝に神戸港へ到着し、「ビーチへ行こう」と向かった先が鳥取砂丘だった。
ナタリーの不意打ちはそんな距離感。
距離感こそそんなもんだが、道はかろうじて舗装されているも、長年補修を施されていないガタゴト道。
オンボロで黒煙を撒き散らすバスは道の凸凹を受け止め切れず、体をモロに突き上げる。
ただでさえ、なんとなく気まずい雰囲気でバスに乗ったのに、バスも道もそんなだから3人に会話が生まれない。
ただ予想もつかない道の展開とバスの挙動にドキドキしながら車窓からの風景を眺めていると、会話がなくともまったく退屈しなかった。
バスが途中で故障してしまわないかと心配したが、なんとか昼過ぎにはクラビーへ到着。
ナタリーは着ていた服を素早く脱ぎ捨てると、誰より先にビーチで横になった。
続く
前回の話/明るいうちにビーチへ
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