キング アーサーのここだけの話
相手の考えを深読みしない
俺とナタリーはしばらく見つめ合っていたが、先に視線を外したのはナタリーだった。
「私も今日、バンコクへ行く」シンさんについていくという意思を示した。
「お、俺も今日バンコクへ行こうと思っていた」俺は偶然にも進路が同じだったように繕った。
「じゃあ、一緒に行こうか」シンさんは、ついてくるなとは言わなかった。
むしろ満面の笑みを浮かべ、俺とナタリーを受け入れてくれた。
去る者を絶対に追わないが、来る者をどんなことがあっても拒まない。
そして相手の考えを深読みしない。
シンさんはそんな男だ。
俺たちは一緒にクラビーを離れることになった。
続く
前回の話/突如の告白
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