キング アーサーのここだけの話
ここが岐路でいまが決断のとき
タイから陸路で韓国まで行く。
そもそもシンガポールからインドネシアを経由してマレーシア、そしてタイへと入国したはずだ。
ここから先はカンボジアからベトナムを経由して中国、そして韓国へ。
朝鮮半島を南下して釜山からはフェリーで福岡へ。
もっとも安価で、時間を贅沢に使う旅ではないか。
俺は本当に、その旅に同行しなくていいのか?
俺には俺の行くべきプランがありながらも、心が揺らいでいた。
「すべての道はローマに続いてるんなら、バンクーバーへも続いてるのね」ナタリーが言った。
「ああ、そうだ」とシンさんは応えた。
「じゃあ、日本からはバンクーバーを目指して陸路で帰るわ」
「バンクーバーまで、一緒に行こう」
シンさんの意外な応えに、俺の心はさらに揺らいだ。
絶対に俺ひとりでは、そんなルートを辿らない。
ここが岐路でいまが決断のときじゃないのか?
俺は自分に問うた。
続く
前回の話/すべての道はローマに続いてる
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