LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
ああいうんが、本当の好みか?

シンさんからは、俺が思っていたとおりの言葉が返ってきた。

「アンジェリーナ・ジョリーに似た子か?」

「そう」

「ああいうんが、本当の好みか」

「そうみたい」自分のことなのに、他人のような感覚。

シンさんにいわれて改めて、本当の自分を再確認できた。

 

「島で一緒だった2人とは、まったく違うな」

「あれは成り行きだったし・・・」

あれは本当に成り行きだ。

結果論としては俺が声をかけたのだろうけど、俺から誘ったわけではなく、あのふたりには最初から俺についていく動機があった。

 

少しの間をおいてシンさんが静かに言った。

「アーサー、知ってるとは思うけどな」

それは明らかに、言葉を選びながらだ。

そんなことをする人物ではないはずなのに。

 

続く

前回の話/レセプションにいた女の子

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最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。