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雑誌の「ふろく」が、いまの僕を創ったのかも~法螺吹き男爵の A FOOL ON THE HILL

ここ数年は、「ふろく」つき雑誌が、当たり前になってきた。

またまた古い話で恐縮だけど、僕が小学生のころ(昭和40年ぐらいかな)から、「ふろく」が人気の雑誌はあった。
その「ふろく」欲しさで、親にねだっては買ってもらった。
月刊漫画雑誌『少年』や、学校で配布されていた雑誌『○年の科学』が、原点かな。
そういえば、「おまけ」目当てに、グリコのキャラメルもよく買ってもらった。
こうして、「ふろく」とか「おまけ」(ようするに、「ただ」のもの)に圧倒的に弱いわたくしが、形成されたのだ。

『○年の科学』の「ふろく」は、手間暇をかけて自分で作るものが多かった記憶がある。
銅線をぐるぐる巻いてゲルマニウムラヂオを作った(そのラヂオは、うんともすんとも答えてくれなかったけど)。
蚕の繭から糸を気が遠くなるほど紡ぎ、さらに縒りをかけて絹糸を作ったりもした。
そんな体験が、この歳になっても手仕事にあこがれる僕を創ったのだろう。

今月発売の雑誌『BE-PAL(ビーパル)』は、100円ショップに並んでそうな扇風機が「ふろく」だ。
「Nature」を謳う雑誌が、ひと夏でゴミになるようなプラスチックを「ふろく」にしていることは、ほんと哀しい(今月号だけじゃなく、最近は年に数回、そんな「ふろく」がついている)。
もちろん、スポンサーの意向もあるんだろけど(と同時に、その「ふろく」を欲しがる人もいっぱいいるんだろうけど)。

でも、きみは、どっちが「かっこいい」と思う?
真夏の昼下がり、日陰に座って涼を求めるとき。
「ブーーーン」と音が鳴り続けるプラスチックの扇風機に顔を近づける自分と、木と紙の匂いがするうちわを胸元で静かに扇いでいる人と。

雑誌の「ふろく」をずっと愛してきた僕が、もし編集長とかスポンサーであったなら。
(そんな地位も権威も金もないけど、もしも……の話ね)
「竹と和紙で自作する『うちわ』キット」を、「ふろく」にするだろうな。

旅作家を名乗り、海外へも旅立つが、知っている単語はBEERだけ。 それでもなんとか暮らせるので、今後もBEERだけ発音をうまくできれば大丈夫かな。  てなことを言ってるうちに月日は流れ、いまでは『いんちき仙人』をめざして邁進する毎日。 「かすみ」と「ビール(ついでにワインも)」があれば、生きていける。 と思ったけど、いまだに捨てられない煩悩が200個ほどある。 そんな日々を過ごしているいまとなっては、にわかに信じがたいが、『一人を楽しむソロキャンプのすすめ』(技術評論社)、『ホットサンド 54のレシピと物語』(実業之日本社)、『タルサタイムで歩きたい』(東京書籍)などなどの著作もある。