LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
英語を理解してる?

フライトの変更はいとも簡単だった。

電話オペレーターは下手な英会話に対応するというのも実に手慣れた様子で、言葉少なに、見事なほど事務的に処理した。

「オープンチケットは、フライトの20分前まで変更できるんだって」俺は問い合わせで聞いたことを、みんなにそのまま話した。

 

しかし絶対にそれはウソだと、誰もが最初は信じてくれなかった。

「やっぱり、英語を理解してないんじゃないの?」自分とジュリーのことを口説けたくらい英語が上手だと褒めてくれたケイトが、真っ先に疑った。

「確認してあげるね」とジュリーはすぐに航空会社へ電話を入れてくれた。

 

わずか数秒の通話でジュリーは受話器を置いた。

「確かに、予約変更できてる!」と驚きを隠せない様子だった。

 

ここは喜ぶべきなのか。

2人は俺の英語能力に疑いを持ちながら、いままで会話してたというのだろうか?

 

続く

次回の話/文明社会の味

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最初の話/はじまりのはじまり

 

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。