キング アーサーのここだけの話
真っ先に狙われるのはケイト
残るは俺たち3人。
「私できない!」ジュリーは小さめだが、しっかり通る声で叫んだ。
その声にオオトカゲはピクリと反応し、ケイトのことをじっくりと、二枚舌で舐めるように見つめた。
脅すつもりはまったくなかったが、俺は囁いていた。
「真っ先に狙われるのは、完全にケイトだな」
ケイトは目を細くして俺を睨んだ。
謀らずともオオトカゲは、結果的にシンさんとナタリー、俺とジュリーとケイトに挟まれるようなポジションとなっていた。
立ち位置を知ったオオトカゲは決してジャングルの王者の風格を崩すことなく、ゆっくりと歩きながら木々の間に入っていった。
続く
次回の話/目に見えぬ敵
前回の話/寄り道はいいけど
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