LIFE,  TRIP

キング アーサーのここだけの話
真っ先に狙われるのはケイト

残るは俺たち3人。

「私できない!」ジュリーは小さめだが、しっかり通る声で叫んだ。

 

その声にオオトカゲはピクリと反応し、ケイトのことをじっくりと、二枚舌で舐めるように見つめた。

脅すつもりはまったくなかったが、俺は囁いていた。

「真っ先に狙われるのは、完全にケイトだな」

ケイトは目を細くして俺を睨んだ。

 

謀らずともオオトカゲは、結果的にシンさんとナタリー、俺とジュリーとケイトに挟まれるようなポジションとなっていた。

立ち位置を知ったオオトカゲは決してジャングルの王者の風格を崩すことなく、ゆっくりと歩きながら木々の間に入っていった。

 

続く

次回の話/目に見えぬ敵

前回の話/寄り道はいいけど

「キング アーサーのここだけの話」は毎月3の倍数日に更新!

最初の話/はじまりのはじまり

キング・カズと生年月日が一緒の1967年2月26日生まれ。外人は<アサタロー>と発音しにくいらしいので、海外では<アーサー>と名乗っていたら、親しい外人仲間が<キング・アーサー>とニックネームをつけてくれた。「アサタロウ」と日本で名乗ると「アソウ・タロウ?」と聞き間違いされることが多々ある。彼が幹事長のときは俺に<カンジチョー>のあだ名がつき、総理大臣になると<ソーリ>と呼ばれるようになったが、彼の総理大臣辞任後も俺の格下げはなく、いまでも<ソーリ>のあだ名は定着している。本業はコーディネーター。