キング アーサーのここだけの話
上下が歪むほどの体験
昨夜は一睡もしなかったというのに、続く日中もそのまま起きていることになった。
上下が歪むほどの混沌とした世界は、モジョがもたらしたのだろうか。
それともケイトとジュリー2人に攻められたからだろうか。
いずれにしてもあの感覚と、あの経験は、その日限りの特別な体験となった。
いくつもの条件が重なり、あの世界に俺を導いた。
夕暮れどき、ビーチを歩くシンさんとすれ違った。
シンさんは手に生ぬるそうなコーラの瓶を2本持っていた。
バンガローへ戻る途中だろう。
2本あるということは、ナタリーに許してもらえたということだろうか。
それとも、許してもらうためのデリバリーだったのだろうか。
特に長い会話を交わさず、視線だけが出会い、お互いにすべてを理解しあった。
続く
次回の話/キース・リチャーズはバカだ。
前回の話/この島ではフツーの1日
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